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きょうの夢ごこち|小林エリカさんエッセイ#13

作家・小林エリカさんのスペシャルエッセイをお届けします。

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きょうの夢ごこち|小林エリカさんエッセイ#13

いつになく心が落ち着かず、ポテトチップスやチョコレートを貪り食う。わけもなく不安になって空を見上げたら、そこには煌々と光り輝く満月があった。ということがしばしばある。もはや私は満月で変身する狼男に妙な親近感を覚えずにはいられない。

まあ、ただのPMS(月経前症候群)かもといってしまえばそれまでなのだが、かつて生理を「月」経と呼んだ人の感覚は、案外理にかなっているのかもしれない。実際、満月の夜には、馬が多く出産すると聞いたことがあるが、本当だろうか。

 

海の潮は月に合わせて満ち引き、新月の夜には夜闇が訪れる。いまなら、私たちは太陽のまわりを地球がまわっていることを、地球のまわりを月がまわっていることを知っている。重力だって学校で習う。けれど、月にはうさぎが住み、かぐや姫が帰る場所だと信じたむかしの人たちは、まさか人間が本当に月に降り立つ日が来るとは想像しただろうか。

人間が月面着陸の夢を果たしたのは、私が生まれる前のことである。私はそれを録画された映像で観た。大人になってからは、フロリダにあるケネディスペースセンターへまで出かけていったこともある。スペースシャトル、ディスカバリー号の打ち上げまで見た(ディスカバリー号は月へ行くわけではなかったが)。

「2001年宇宙の旅」の2001年さえ、もはや未来ではなく20 年近く前の過去になったが、宇宙の旅も、月への旅も、まだ遠そうだ。実際、月旅行のチケットがあったら私はぜひとも出かけてみたいと思う。無重力だって体験してみたい。月面に足跡だってのこしてみたい。

けれど人類がはじめて月に一歩を踏み出し、人々が大いに沸いた時、人間は心という未知の大陸を残したまま月へ行くなどいったい何の意味があるのか、と問うた哲学者はだれだったか。昨日も、やたらと疲れて空を見上げたら、大きく光る満月だった。かつて人間があの月の上に降り立ったことがあるのかと思うと、奇妙な感慨を覚えずにはいられない。

 

けれどそんな月を見ながら、私は心を想う。月よりも宇宙よりもまだ謎な、私自身の心のことを。

 

 

文と絵
小林エリカ

作家・マンガ家。『マダム・キュリーと朝食を』(集英社)で芥川賞・三島賞候補に。著書に光の科学史を辿る『光の子ども3』(リトルモア)、『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社)など。

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