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きょうの夢ごこち|小林エリカさんエッセイ#14

作家・小林エリカさんのスペシャルエッセイをお届けします。

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きょうの夢ごこち|小林エリカさんエッセイ#14

あるところに、一匹のシロクマの子どもがいました。シロクマの子どもはお母さんシロクマに尋ねました。「ねえ、ぼくは本当にシロクマなの?」

お母さんシロクマは驚いて答えました。「もちろん、あたりまえじゃない。あなたはシロクマよ。でも、どうしてそんなこと聞くの?」

シロクマの子どもは答えました。「だってぼく、とっても寒いんだ!」

これは友人が私に教えてくれたジョーク。どこ由来のものなのかはわからないけれど、私はこの話がすごく好きで、冬がやってきて寒くなる頃、いつも思いだす。

 

雪が降るたび、あたり一面が白くなるたびに、私の心は踊る。雪の結晶を顕微鏡写真で撮影・分類し、人工の雪を作りだすことに成功した科学者、中谷宇吉郎には感謝の念しかない。空から降ってきて私の足元に積もる雪ひとつひとつの結晶。それが、あんなにもそれぞれの形を持ち、それぞれに(いびつなものも含めて)美しいとは。それを知るだけで、雪が、世界が、どこまでも尊いと実感できる。

オーストラリア出身の私の友人がはじめて雪を見たとき、手のひらに雪片をのせながら「雪って結晶の形をしていないの?! 」と叫んだことも思いだす。彼女は、雪というものはクリスマスツリー飾りのような形で降ってくるのだと信じていたらしい。確かに映画や写真では形までは見えないし、アニメだと雪は結晶の形で描かれるものだから。私はそれを笑ったけれど、実のところ私だって北極圏の雪景色、氷や流氷なんて、実際には見たことがない。シロクマだって、動物園の檻の中で寝そべっている姿しか知らないのに、何もかも知ったつもりになっているだけかもしれない。

 

私たちが知っていることだけが、目に見えているものだけが、世界の全てではない。あたりまえは、ときにあたりまえじゃなく、発見になる。私たちのこの足元にも、遥か彼方の遠くにも、未知の世界がどこまでも広がってあることをいつも心に留めたい。

「きょうの夢ごこち」は今回で終了致します。ご愛読ありがとうございました。

 

 

文と絵
小林エリカ

作家・マンガ家。『マダム・キュリーと朝食を』(集英社)で芥川賞・三島賞候補に。著書に光の科学史を辿る『光の子ども3』(リトルモア)、『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社)など。

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