
【インナードライ肌解説・前編】よく聞く"インナードライ"って何?原因とメカニズム|美容のプロに聞いてみました!
べたつくのに乾燥するインナードライ。自覚が無くても実はインナードライだった…なんて場合もあるものです。季節の変わり目にも起こりやすいインナードライを正しく理解し、すこやかな肌を手に入れましょう。今回は、インナードライについて2回にわたって解説!前編は原因やメカニズムを、後編では見分け方やお手入れ方法をご紹介します。さっそく前編スタート!
そもそもインナードライとは、肌表面はべたついているのに、内側は乾燥している状態のことを指します。
“脂性乾性肌”と混同されがちですが、イコールではないので注意!脂性乾性肌は肌性のことで、遺伝的な肌質です。季節や加齢などによって多少の変化はありますが、基本的に大きく変わることはないのが特徴。
一方、インナードライとは一時的なストレスや外的環境の影響(紫外線や空調など)による肌トラブルのこと。ですから、脂性乾性肌以外の人でもインナードライになる可能性が十分にあるのです。
インナードライは一時的な肌トラブルなので、お手入れによって解消も期待できますよ。
※イメージ
インナードライはどうして起こるのでしょうか?
まず、様々な影響で肌表面の細胞の水分が奪われ、肌が元々持っているうるおい成分や、スキンケアで与えたうるおいが守られず、どんどん蒸発していきます。
それと連動して肌のターンオーバーが乱れる事で、うるおいが逃げやすい細胞しか作られず、肌内部がカラカラの状態に。
そのような肌を守ろうとする防御作用により皮脂が分泌され、表面上はべたついているのに実は内側が乾燥しているという肌状態に陥ります。これがインナードライのメカニズムです。
インナードライになる前に、うるおいを守れる肌にしていくことが必要と言えるでしょう。
ここからはインナードライになりやすい環境について解説します。以下のような項目に心当たりはありませんか?
・紫外線を浴びる機会が多い
・空調にあたる環境で過ごしている
・疲れやストレス、睡眠不足を感じやすい
・マスクで肌に刺激を感じる
・スキンケアをサボりがち
1|紫外線
紫外線を浴び続けると細胞の水分が奪われ、肌内部が乾燥してしまいます。
日焼け止めはもちろん、日傘などで紫外線を日常的にブロックすることが大切です。
2|空調にあたる環境
湿度が低下した環境はインナードライになりやすいといわれています。
肌は湿度60%以下になると乾燥しやすいもの。一般的にオフィスの湿度は低く、40%以下になっているところも。
空調が効いた室内は快適なようで肌にとっては過酷な環境と言えるでしょう。
3|疲れやストレス、睡眠不足
疲労やストレス、睡眠不足などの生活習慣の乱れは肌にも影響します。
ターンオーバーが乱れたり、水を溜める細胞をつくれなくなったりして、バリア機能が低下。体はもちろん、肌も弱くなってしまうのです。
4|摩擦
肌は摩擦を受けると角層がはがれ落ちてダメージを受け、バリア機能が低下し うるおいを保てなくなります。
洗顔時にゴシゴシと肌を擦るのが良くないことはご存知の通りですが、マスクの着用や汗を拭くといった行為も摩擦に。避けるのが難しいものもありますが、できるだけ日常生活の中で肌への摩擦が起こらないよう気をつけたいものです。
5|間違ったお手入れ
間違ったお手入れもインナードライの原因に。例えば、保湿液を省くなどの「マイナス美容」は、肌がうるおいを保てなくなる一因ともなります。
べたつくからといって化粧水しかつけない…など、間違ったスキンケアでインナードライが進んでしまうこともあるのです。
インナードライは見かけ上うるおって見えるため、保湿が足りていると勘違いしやすいのが特徴です。しかし、そこでインナードライ状態に気づかずに間違ったお手入れを続けるとカサカサ・ベタベタが加速!
特にこれからの時期は、脂が出ているのをうるおっていると勘違いしてクリームや保湿液を省くなどのマイナス美容になる方が多いので注意が必要です。
後編では、インナードライを見極めるためのセルフチェック方法と、具体的なチェックポイントを掲載!さらに、お手入れポイントやおすすめアイテムを解説しますのでお楽しみに!
- 島田久美子
- オルビス トータルビューティークリエイター。
複数の化粧品会社において、アドバイザーとして活躍。美容マニアで「キレイになることを諦めない」がモットー。豊富な接客経験と美容に関する膨大な知識を元に、現在は店舗接客のコンサルティングや育成、各ブランドの美容コンセプトの構築支援を手がける。
監修/島田久美子
イラスト/二階堂ちはる
編集/伊藤幸子