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コラム&エッセイ

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【スマートエイジングの旅第3回】紆余曲折はあったけれど、これからの私はもっとかわいい。

1人1人の肌との歩みを“旅”にたとえて、その人の軌跡と未来を辿る「スマートエイジングの旅」。連載・第3回をお届けします。

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「自分らしく、ここちよく年齢を重ねる」ことを、オルビスは「スマートエイジング」と呼んでいます。これまでどんなふうに年齢を重ねてきたのか、これからどんなふうに歩んでいきたいのか。1人1人の肌との歩みを“旅”にたとえて、その人の今日までの旅路とその旅の先にある、“私らしく、ここちよく年齢を重ねた姿”をつづります。今回のスマートエイジングの旅人金子敦子さん 1962年生まれ。50代で始めたブログで日々のコーディネートを紹介し、人気ブロガーに。現在は服作りの企画も手がける。 1980s 20代見出し聖子ちゃんになりたくて。お化粧への興味にまっしぐら。 ― 「20代は盛ったメイクをしていた」と事前に伺ってすごく驚いたのですが、そもそも、メイクやスキンケアに興味を持ち始めたのはいつ頃ですか？ 18歳ぐらいかな。高校を卒業したくらい。高校卒業の時に、お化粧品の研修会みたいなのがあって、そこで化粧水やお化粧品のつけ方を教えていただいたのがきっかけでした。私ね、肌の悩みはほとんどなかったんですよ。とっても肌が強くて、スキンケアも何もしなくても大丈夫な方ではあったのね。だから、「今よりもっときれいになりたい」って一心で、いろんなお化粧品を使ってみていました。当時はね、「きれい」って、形があったような気がするの。情報も少なかったし、パソコンもなかった時代だから、テレビのCMに出てくるきれいな世界とか、モデルさんたちとか、それこそ夏目雅子さん、松田聖子さんに憧れて。私が18歳の頃は聖子ちゃんが全盛期。もうお化粧から何から、みんな聖子ちゃんになりたい感じでした。 20代の中盤くらいからバブルが始まって、憧れが聖子ちゃんから、W浅野になって。トレンディな時代ですね。その頃の私、本当にお化粧が厚い人だったんです。海外ブランドのものをガンガン使って、「お化粧品を売っている方ですか」って言われたこともあるくらい（笑）。地味な雰囲気を華やかにしたいって、一生懸命、頑張ってた。そんな時代が、20代から30代ぐらいまで続きました。 1990s 30代見出し子育て×仕事×勉強。お化粧する余裕なんか、ない！ 30代を過ぎても、ちょっとバブルを引きずってたかもね。人生の転換期がやってきたのは38歳。私ね、38歳から看護学校に行ったんです。本当はもともと、看護師になりたかったの。だけど、違う仕事に就いたのね。子どもが3歳になった時に、「ここで諦めたら、もう一生看護師にはならないな」と思って、今やろう、勉強しようと思って、学校に行き始めたんです。子どもを育てながら、看護学校に通って、仕事も多少して、と、本当に忙しかったから、お化粧もおしゃれもする余裕がなくなっちゃったわけ。それでまた、看護師の勉強がすごく楽しかったのね。夢中になっちゃったんです。看護学校で習うことって、「人間の幸せってなんだろう」ということ。それぞれの人が、それぞれの幸せがあって、それに応えて援助をしていくのが私たちの仕事なんだよ、っていうのを習うんですよ。勉強する中で、「私の幸せってなんだろう」、「自分らしさってなんだろう」とすごく考えるようになって。そこで気がついたんですよね。今までの考え方じゃないなって。そこからだんだんと、自分軸になってきたわけ。憧れの対象も、自分の身近にいる婦長さんだったり、学校の先生だったりになりましたね。あと、夫の転勤がきっかけで、新宿の看護学校から沖縄の看護学校に通うようになってね、沖縄のみなさんのライフスタイルにはすごく、影響を受けましたよ。そんな小さいこと気にするな〜っていう感じの、おおらかな雰囲気にね。 2000s 40代見出し年齢肌の兆しにあらがってやれるだけやってみた。沖縄から東京に帰ってきたのが、40代後半。この頃から、肌がくすんでるなって感じるようになってきた。表情まで暗く見えるし、「あ、肌がくすむって、こんなに気分が落ち込むことなんだ」と思いましたね。これはいかんと思って。なんとかしようと思って、本当にあがきましたよ。やれるだけやってみたって言えるくらい。赤ちゃん肌に戻りたくってね。やり切って、それなりの効果も感じたんだけど、「そんなにあらがって、赤ちゃん肌になる必要があるの？」と、ちょっと思ったのよね。お金もかかるし、さすがに赤ちゃん肌になれるわけないっていうのにも気がついて（笑）。 2010s 50代この頃、きっと私の肌はいろいろとやりすぎて弱っているに違いないと思って、ワセリンだけのケアを始めました。すごく肌に透明感が出るとか、良くなるとかは、全然ないんですよ、正直。なんだけれども、悪くはならない。肌のくすみも、もちろんないわけじゃないんですけれども、当時よりはいいかなって思えて。自分が求めているレベルがちょっと下がったのもありますね。昔はね、それこそ拡大鏡で見て、ちっちゃなシミとシワを、とっても気にしてたの。でもそんなレベルで気にすることはないんだって、気がついたせいもあるかもしれないね。見出し 70歳の私はもっと、かわいくなってると思うのよ。今、59歳になりました。これから年齢肌がさらに変化するんだなって考えた時に、もしかしたら、もうちょっと楽しんで、お化粧品を使ったらいいんじゃないかなあと思うところもあるのね。お化粧品を使ってる時の時間の豊かさってあるじゃない。好きなものを使って、ただ塗り塗りしている時にふわ〜っと立ち込める香りとか、つるつるする自分の肌を触っているだけで、幸せだなって感じたりしますよね。それがね、ワセリンだとちょっと寂しいんだよね。もっと楽しんでもいいのかなって。人生の時間って限られているから、これからの人生、もっと楽しく、もっと豊かにしていきたいの。今だったら、20代、30代の頃とは違う楽しみ方ができるんじゃないかな。 ― これからさらに、どんな自分になっていきたいか、イメージはありますか。私ね、70歳になったらね、もっとかわいくなってると思うのよ。80歳になったら、もっとだと思う。100歳になったら、もうびっくりじゃないって思ってるわけ！（笑）とってもかわいいおばあちゃんよ、きっと。昔はね、100歳になると、くちゃくちゃになると思ったけれども、今は全然そう思ってない。もっとおしゃれになって、きっともっとすてきなことを喋れるわ。年齢を重ねることは、楽しいことなんです。だから、そうね、楽な生き方をしてほしいなって思います、みんな。小さいことは気にしないで。年を取るのは当たり前だし、年をとってどうしようって心配しても何も変わらないし。もちろん、私も漠然とした不安が襲ってきて、理由もなく滅入る日もあるんですよ。普通に食べるとめきめき太るし、ぼ〜っとして、なぜか冷蔵庫に財布を置いてたりね（笑）。でもそんなことも、おおらかに笑い飛ばして、すてきな笑顔のおばあちゃんになりたいです。最高におしゃれな100歳を目指します！

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