『ジョンとメリー』 美しい髪の存在感がスクリーンと物語を支配する
ジョンとメリーはニューヨークで出会った男女。知り合ってひと晩明けてから、お互いを知り始める一日を描いたニュー・シネマ時代の恋愛映画の傑作で、目を惹くのがメリーを演じるミア・ファローのベリーショート。ヴィダル・サスーンの美容室で切ったこの髪型は彼女のトレードマークとなり、スターになるきっかけに。(山崎さん)
『シルビアのいる街で』 背中で揺れるヒロインの長い髪の毛が幻想的
ふと見かけた女性に、かつて出会ったシルビアの面影を重ね、青年が彼女を追いかけて街をさまよう幻想的な映画。何よりも心に残るのは美しいヒロインの背中で揺れる長い髪の毛。街ゆく女性たちのロングヘアが風でたなびく様子を次々見せるシーンも魅力的。青年は女性の髪の美しさに恋をしているのではないかと思わせられます。(山崎さん)
『ノーマル・ピープル』 ヒロインの繊細さを象徴する髪型を真似する女子が急増!
社会的な背景の違う若い男女が愛を育てていくドラマ。知的で繊細なヒロインのマリアンを演じたデイジー・エドガー=ジョーンズの髪型も話題に。絶妙なボリューム感のセミロングで、特に大学時代の前髪とのバランスが完璧。マリアンの真似をして、前髪を切る女子視聴者が英米で急増しました。(山崎さん)
『メディア王~華麗なる一族~シーズン2』 パワフルな存在感をクールなブラントカットで表現
カリスマ経営者が一代で築いた巨大メディア産業の後継者選びを追う社会派ドラマ。注目されたのが、経営者の長女シヴォーンの髪型の変化。最初はロングのウェーブヘアでしたが、父の会社で責任のある立場になり、毛先を切りそろえたブラントカットのボブスタイルに。パワフルな存在感を見せるようになりました。(山崎さん)
教えてくれたのは・・・
山崎まどかさん
コラムニスト。翻訳家。『ビバ!私はメキシコの転校生』(偕成社)でデビュー。著書に『優雅な読書が最高の復讐である』(DU BOOKS)など。
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フランスのポンパドゥール、江戸時代の日本髪、朝鮮貴族のオヨモリの由来って?