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22時からのここち時間#2|「なんとなく気分がいい日の22時」書籍編

山口博之さんがお薦めする、新しい自分を発見できる書籍3選

1日の終わりが近づく22時。それは、リラックスして過ごす自分時間の始まりです。せっかくの自分時間だから、感性を育む素敵なひとときにしよう!と企画したのが、「22時からのここち時間」。毎回、編集部おすすめの選者に声をかけ、心地のいい時間のための映画や音楽、書籍をご紹介していきます。

第2回目のテーマは「なんとなく気分がいい日の22時」。いい仕事ができた、久しぶりに会った友だちとたくさん話ができたーー。そんな気分がいい1日の終わりに、読んでみたい本を集めました。

セレクトいただいたのは、ブックディレクターであり編集者でもある山口博之さん。「気分がいい日は心がオープンになっているもの。そんなときは、知的好奇心を満たし、知らなかった自分の一面を発見して、1日を心地よく締めくくってみては。」そんなふうに話す山口さんの、おすすめの3冊をお届けします。

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「本当の夜は美しい」。いつもの夜空に新しい意味を見つける1冊

『本当の夜をさがして-都市の明かりは私たちから何を奪ったのか』
著 : ポール ボガード / 訳 : 上原直子
白揚社、2016、2,600円(税別)

 

大学教授である著者が、都市の明かりの発展によって引き起こされた「光害(ひかりがい)」について解き明かした『本当の夜をさがして』。光害が動植物や人体にもたらすダメージや、私たちが見る星空への影響を紐解きます。

 この本は、山口さんがハッとさせられた1冊だそう。「東京で暮らしていると、夜、空を眺めても数えるくらいの星しか見当たりません。どこに行っても、それなり以上に明るい。読み進めるうちに、“夜の本当の暗さ”を経験できていないことってもったいないことなのでは…と考えていました」

 この本の面白さは、研究書でありながら、ロードムービーのような雰囲気をたたえているところ。まるで恋人を探して旅をする人のように、著者は本物の暗闇を求めて旅を続け、その経過が文章で綴られています。旅の途上、時折著者は詩人のような感性で、明るさを求めてやまない人間の悲しさや星空への憧れを言葉にするんです。それらの言葉がじんわりと心に染みて、読んでいるこちらまで、夜の暗闇が愛おしく思えてきます。

 「気分がいい日は下を見るより、上を見ることが多いはず。では、ふと見上げた空にはどうして星が見えないのか? そんなふうに、思いを巡らせてみて」と話す山口さん。

 次の週末は、自分なりの本当の夜を探してみよう。この本を読んでそう思いました。部屋の明かりを抑え、光を発するスマホもオフにすれば、今まで気づかなかった豊かな夜の世界に近づけそうです。

 

「普段の日常」を離れ、未知の世界へと旅できる写真集

『TIMESCAPES 無限旋律-広川泰士写真集』
著 : 広川泰士
発行 : 青木書店

『TIMESCAPES』の著者・広川泰士さんは、広告写真、ファッション、ポートレート、風景など、ジャンルを問わない写真が世界的に評価されている写真家。今回、山口さんがセレクトしたのは、彼のライフワークである「岩」と「天体」ばかりを集めた写真集です。

本を開くと、天体と大地だけの光景がどこまでも広がっています。山口さんはこの写真集の魅力をこう話します。「何億年という単位で自然界に存在し続けている岩と、遥か悠久の時を経て届く星の光。想像もできない時間の経過の中に、ポツンと存在する自分の小ささに気づかせてくれるんです」

本当に星空と岩山の写真ばかりなのですが、なぜか時を忘れて見入ってしまいます。「時間的、物理的に圧倒的なものを前にすると、自分が孤独だけど寂しくないみたいな不思議な感覚になっていく」という山口さんのコメントにも同感ですが、一方で私は、雄大な地球の一部をシンプルに切り取った“絵としての美しさ”のようなものを感じました。この写真集にある知らない世界、知らない景色が同じ世界に広がっているんだ、と知らされ、それだけで胸が高鳴ります。

「この写真集は、気分のいいときに眺めてほしいですね。世界のどこかにある壮大な景色を見つめながら、同時に、自分という存在の不可思議さを感じてもらえるとうれしいです」

私にとって『TIMESCAPES』の世界の美しさに触れることで、イマジネーションが刺激されて、いつも自分が見ている視野がさらに広がる写真集なのだと感じました。ふとしたときに本棚から取り出せるよう、そばに置いておきたい1冊に出会えました。

 

人々のユニークな“こだわり”に触発されて、新たな自分を発見できそう

『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』
著 : 清野とおる
発行 : 講談社
©︎清野とおる/講談社

最後の1冊は、雰囲気をガラッと変えて漫画のご紹介です。清野とおるさんは、ドラマ化もされた『東京都北区赤羽』の著者として人気の漫画家。身近な人々、身の回りの普通の出来事をユーモアたっぷりに描く作風は、本作品でも健在。

 本作では、特殊なこだわりのことを「おこだわり」と呼び、おこだわりを持つ人々に取材して漫画に描いています。

 「おこだわりは、当の本人にとっては普通の習慣なのですが、他人から見たら“変態的なこだわり”だったというもの。著者は当初、『このこだわりの何がいいの?』と引いて見ています。ですが、最後にはそれを自分で試して、『うわ〜、最高!』となる過程がコミカルに描かれていきます」

 例えば、あらゆるものを食材ごとに分解して食べる「おこだわり」を持っている人。1個のシュウマイを皮と具、グリンピースに分けて食べることで、喜びを何度も味わうそうです。そのほか、悪夢を好んで見る人(その方が日常をポジティブに過ごせるそうです)、まぐろの刺身を醤油皿で必ず「ヅケ」にする人など、実に多彩な「おこだわり」が登場します。

 ギャグタッチが強い漫画なのですが、著者の着眼点が面白い!読んだ後、爽快感に包まれ、気分のいい日をさらにハッピーな1日にしてくれます。さらに「日ごろの何気ない癖や習慣も、自分の個性なんだ」と新たな視点からポジティブに気づかせてくれる一冊です。

 

<vol.2を終えて>

「なんとなく気分がいい日の22時」に読みたい3冊、いかがでしたか? 現代の夜の明るさに対して問題提起する硬派な書籍から、個性的な人々を描いたユーモアいっぱいの漫画まで、山口さんらしい幅広いセレクトで楽しませてくれました。

「読書は、未知の世界に触れることで自分を変化させるきっかけを与えてくれます。気分のいい1日の最後であればなおさらです。今回選んだ3冊は、自分の知らない世界に出会うことで新しい感覚をもたらしてくれる本です」

山口さんが言う通り、知らなかった何かに触れると、いつもの日常が新鮮に感じられて、視界がパッとクリアーになりますよね。私たち編集部も、22時からの自分時間をきっかけに、小さな発見を積み重ねていこうと思います。

さて、次回のテーマは「落ち込んだ日の22時」。銀座蔦屋書店の漫画セレクター、美土路奈々さんに、気分が上がる漫画をご紹介いただきます。


お話を伺ったのは……

山口 博之/ブックディレクター、編集者

1981年仙台市生まれ。旅の本屋「BOOK246」と選書集団「BACH」を経て、2017年に「good and son」を設立。ルミネ本社ライブラリーのオフィスなど、病院から個人邸までさまざまな施設のブックディレクションを行う。また、制作物の編集やコピーライティング、ブランディングの仕事も手がける。
▼good and son https://www.goodandson.com/

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