
くすみ解消のスキンケア術|美容のプロに聞いてみました!
加齢により失われていく肌の透明感。そのわけは、まさしく肌の“くすみ”です。大人を悩ませるくすみの種類や原因、効果的なケア方法など、美容のプロに教えてもらいました。
大人になるとなぜ肌がくすむの?
若いころと比べると、大人の肌は徐々に透明感を失っていきます。ふと鏡を見たときに、肌が曇って疲れて見えるなど、違和感に驚いたことがある人も多いのではないでしょうか。
年齢を重ねると、肌を修復する力が衰えていきます。
くすみの原因は、血行不良や乾燥、皮脂、紫外線ダメージなど多岐にわたり、大人の肌はそれらが複合的に重なり合うことで、くすみのオンパレードに。要因が一つではないからこそ、スキンケアをしっかりしてくすみ対策をしていく必要があります。血行不良くすみの原因
血行が悪くなると透明感や血色感がなくなります
睡眠不足や冷えによって血行が悪くなると、血色感が失われます。そのせいで肌が暗く見えてしまうのです。
肌は夜、寝ている間に生まれ変わります。睡眠が足りないと肌から老廃物が排出されず、さらに栄養も行き渡らないという悪循環に。また、肌へ栄養を運ぶのは血液なので、血流が滞りがちな冷え性の人も注意が必要です。
そして実はクマも血行不良くすみの一種。
皮膚が薄いことに加え、1日に約2万回もまばたきをするため、どうしてもエイジングサインが現れやすくなります。目もとが暗くなると顔全体も曇って見えるため、気づいたときにケアすることが大切です。
血行不良くすみのケア1
朝の洗顔ついでのマッサージでトーンアップ
朝、起きたときに肌がくすんでいると感じたら、血行をよくするマッサージを取り入れてみましょう。洗顔のついでにできるので、忙しい朝でも手軽にトーンアップさせることが可能。メイクのノリもよくなります。
まずオルビスユー ジュレパックをさくらんぼ一粒大程度、手のひら全体にのばしたら、さっとスライドさせるように頬からのばしていきます。
頬は内側から外側へ向けてのばします。肌を引き下げないように意識しましょう。額は中央からこめかみへ、鼻は上から下へ。そして口まわりに広げたら、最後にフェイスラインはあごから上へ向かい、肌をこすらないように塗り広げます。
全体に塗り終えたら、そのまま5秒間キープ。5秒たったら指の腹を使って優しくマッサージしていきましょう。
頬は2~3回に分けて、内側から外側へクルクルと。あとは塗ったときと同じ順番で、小さな円を描くように、穏やかに血行を促していきます。
マッサージは、顔全体を10秒ほどで終えるのが目安。力を入れて肌をグイグイとこすらないように気をつけましょう。

オルビスユー ジュレパック
リッチな濃密ジュレが、蓄積されてこびりついたくすみを絡め取ります。洗顔料の代わりに使うことで肌がパッと明るくなり、なめらかで透明感あふれる素肌に。週3~4回のスペシャルケアがおすすめです。オルビスユー ジュレパック
血行不良くすみのケア2
夕方のくすみは簡単ツボ押しで撃退
夕方、顔色がさえないと感じたら、目の周りのツボを刺激して血行を促進しましょう。
目元用の美容液をつけてから行うと、シワやたるみの予防にもなって一石二鳥。美容液は薬指にとり、皮膚をこすらないようにトントンと軽くなじませればOKです。
血流アップには、眉頭のくぼみ「「攅竹(さんちく)」と、こめかみのくぼみ付近にある「太陽(たいよう)」というツボをプッシュ。“イタ気持ちいい”くらいの強さで押して、憂鬱なくすみを払いましょう。
アイケアエッセンス
2種のヒアルロン酸が繊細な目元を贅沢に保湿して、つけた瞬間からうるおいとハリ感を高めます。肌に素早くなじみ、ベタつきのない使用感。メイクの上からも使えるので、外出先でのうるおい補給にもおすすめ。アイケアエッセンス
乾燥くすみの原因
乾燥するとバリア機能が低下して角層が厚くなる!
年中、肌が乾きやすいという人は、乾燥くすみが起こっている可能性が。
大人の肌は、若いころと比べてうるおいを保つことが困難になってきます。
肌が乾燥すると肌を守っているバリア機能が低下。肌内部の角層を分厚くすることで外的ストレスから守ろうとします。
そうなると肌から血管までの距離が必然的に遠くなり、血色感のない曇った肌色に。肌の表面がカサカサと干からびているうえに、さらにトーンダウンした顔に見えてしまうのです。
乾燥くすみのケア1
メイク直しのローション補給でうるツヤ肌が復活
乾燥くすみの解決方法は、なんといっても保湿第一。
朝晩のうるおい補給を念入りに行うことはもちろんですが、乾燥が加速しやすい日中もローションでうるおいを与えることが大切です。
メイク直しの前にあぶらとり紙で余分な皮脂をオフしたら、1~2滴のローションを手のひらに広げ、肌に押し込むように塗布します。手をスライドさせるとメイクがヨレてしまうので、肌をこすらないようにするのがポイント。
中指と薬指を使い、頬、額、鼻、口もとに押し込むようになじませる。最後に薬指で目もとをやさしくタッピング。
仕上げに乾燥しやすい頬を5秒ほどハンドプレスして、うるおいを肌の奥にまで届けましょう。それからフェイスパウダーをのせると、自然なツヤと透明感が蘇ります。
乾燥くすみのケア2
夜はコットンパックの2分ケア
朝よりもゆったりとスキンケアできる夜は、コットンパックをするのもおすすめ。
適量(3~4滴)のローションを手にとって顔全体になじませたら、2枚のコットンにローションをたっぷりと含ませます。コットンの両面からつけて行き渡らせましょう。
1枚目のコットンは2枚に割いて、毛羽だっていない面を両頬に貼りつけます。2枚目のコットンは割いてからそれぞれ縦半分に折り、乾燥しやすい目元にオン。
1~2分たったらはがし、手のひらでハンドプレスを。短時間でもうるおいがぐんぐんと浸透し、乾燥くすみの解消に有効です。
オルビスユー ローション
内側から湧き上がるようなハリをサポートする、濃密仕立てのリッチなローション。肌に触れた瞬間にみずみずしくとけ出し、スッと浸透。深くうるおいで満たすとともに、自らうるおいが巡る肌に。オルビスユー ローション
皮脂くすみの原因
過剰な皮脂が酸化すると暗くくすんで見える!
過剰に分泌された皮脂は、空気や紫外線に触れること、そして温度によって酸化します。
食用油を思い浮かべるとイメージしやすいかもしれませんが、使用後の油は酸化して、黒く濁っています。皮脂が酸化すると、肌でも同様の状態が引き起こされているのです。
日中に出た皮脂を放置すると、酸化が進んで皮脂くすみが悪化。皮脂が出やすいTゾーンがテカって黒っぽくなっている場合は、皮脂くすみの可能性が高いといえます。
皮脂くすみのケア
夕方のあぶらとり紙はマスト
酸化した皮脂はくすみの原因であるのはもちろん、肌の内部をさびさせてしまうことで、さまざまなエイジング悩みの要因に。放っておいて一つもいいことはありません。
人にもよりますが、早い人では洗顔をしてから20分ほどで皮脂が出始めると言われています。
ティッシュでとれるのは汗やヨレたメイクのみ。きちんとあぶらとり紙を使うのが賢明です。テカリやすい人は、お昼休憩&夕方など、2~3時間に一度ぐらいのタイミングでとるようにしましょう。
あぶらとり紙は、皮脂が出やすいTゾーンから使いましょう。
額やこめかみをとったら、次に鼻や小鼻を、そしてあご、頬という順で、肌をこすらずに押さえるようにとっていきましょう。小鼻などの細部やあごは、中指にあぶらとり紙を挟んで押さえると、ぬかりなくとることができます。
あぶらとり紙
やぶれにくく大判で、抜群の使いやすさ。京都で長年愛用されている高級あぶらとり紙と同じ伝統的な『金箔打紙製法』で作られており、やわらかな肌あたりに。高い皮脂吸収力を発揮します。あぶらとり紙
紫外線くすみの原因
乾燥、角質肥厚、メラニン色素など、くすみの要因多数!
夏の間に、日射しをたくさん浴びてしまったという人は、紫外線くすみに要注意。
紫外線は乾燥や角質肥厚、メラニン色素の生成などによって、肌全体のトーンダウンを引き起こします。
シミが濃くなったような気がする、肌がゴワついてメイクのノリやスキンケアの浸透が悪い、と感じる人は、紫外線くすみが増長している可能性が。
特に頬の高い部分や鼻など、日焼けしやすい箇所に現れやすいので、肌をよく観察してみましょう。紫外線くすみのケア
1年中、UVケアをぬかりなく!
紫外線くすみの対策として、最も大切なのがUVケア。
どんなに保湿などのスキンケアをがんばっていても、無防備に紫外線を浴びてしまっては意味がありません。紫外線は一年中、曇りの日でも降り注ぐもの。少しの時間なら……と思わず、日射しを浴びる可能性があるときは日焼け止めを塗るように心がけましょう。
外にいる時間が長いようなら、午後に一度、塗り直すのがベター。紫外線は窓ガラスも通過するので、窓際にいることが多い人も意識が必要。秋冬でも油断しないことが大切です。
サンスクリーン®オンフェイス モイスト、同 ライト
日焼け止めと下地機能を両立し、紫外線をはじめとした様々なダメージから肌を守りながら毛穴レスな美肌に仕立てます。紫外線吸収剤フリーで、白浮きのない素肌感に。サンスクリーン®オンフェイス モイスト(クリームタイプ)、同 ライト(ローションタイプ)
夕方になると顔がくすんで見える理由の一つに、実はベースメイクの劣化が挙げられます。これはファンデーションに油分が含まれているため。
たとえ皮脂が出にくい人でも、ファンデの油が酸化してしまうことで、皮脂くすみのような黒っぽさに変化。肌をどんよりと、暗く見せてしまうのです。
これには、クレンジング&洗顔が最も有効。ファンデを肌にのせている時間ができるだけ少なくなるように、帰宅したら早めにメイクオフするようにしましょう。
顔のなかで最初にエイジングサインが出るのが、皮膚の薄い目元。
血行不良によるクマもそうですが、摩擦によって色素沈着しやすかったり、シワやたるみが進んで目元に影を作ったりと、顔全体をトーンダウンさせる、くすみの要因が多数あります。
普段から目元専用のアイケアを使い、より一層、丁寧なケアを心がけることが重要。スキンケアの際も、自分の手加減を見直してみましょう。-
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島田久美子
トータルビューティークリエイター。複数の化粧品会社において、アドバイザーとして活躍。美容マニアで「キレイになることを諦めない」がモットー。豊富な接客経験と美容に関する膨大な知識を元に、現在は店舗接客のコンサルティングや育成、各ブランドの美容コンセプトの構築支援を手がける。
撮影/田村昌裕(freaks) ヘア&メイク/イワタユイナ モデル/新藤マリア 取材・文/橋場鈴里