
楊貴妃|世界三大美人のキレイの秘密#2
いつの時代も、「美しくありたい」という女性の願いはきっと同じ。そこで、歴史に名高い美女たちの美容法や当時の美人像を探りました。
傾国の美女とうたわれた唐皇帝の妃 楊貴妃
楊貴妃はもともと唐の玄宗皇帝の息子の妃でした。しかし、その美貌に惹かれた皇帝が強引に奪って自分の妃にしてしまったのです。
「スレンダーが美女の条件だった後宮において、楊貴妃だけは少しぽっちゃりとした癒やし系美女だったそう。そういった意味でも唯一無二の存在として君臨していたと思われます」(堀江さん)
玄宗皇帝の妃
生没年:719年6月26日~756年7月15日
出生地:中国 唐
ライチ
美の効能がたっぷり詰まった楊貴妃が愛した果物
楊貴妃は控えめな女性だったといわれています。「そんな彼女が唯一所望し、遠くから取り寄せていたのがライチでした」(堀江さん)。
「ライチに豊富に含まれる葉酸やビタミンCには、血色をよくしたり、肌のターンオーバーを助けるほか、シミを防ぐなど女性にうれしい効果がたくさん!」(篠原さん)。
ライチ果皮エキスには、酸化ストレスや光老化から肌を保護したり、水分量を保持する作用も。明るく透明感のある肌には欠かせないポイントです。
つばめの巣
珍味なだけでなく、含まれる栄養素も貴重なものばかり
中華料理の高級食材であると同時に、保湿、新陳代謝を促す漢方としても重用されるつばめの巣。
「つばめの巣には、免疫を高めて皮膚の再生を促す糖鎖栄養素や、摂取するのが難しいEGF、コラーゲンのもとになるFGFなどが含まれており、高い美肌効果が期待できます」(篠原さん)。
珍味という以上に、このようなさまざまな美容効果を、当時の人々は経験として知っていたのかもしれません。
温泉
温浴効果でしっとり肌とボディをキープ
美白やピーリングなど、泉質によってさまざまな美肌効果が期待できる温泉。からだの芯から温まることで、むくみ解消などのダイエット効果も。
「楊貴妃は毎年10月に温泉のある離宮に行くのが習慣でした」(堀江さん)
美女を表す熟語「明眸皓歯(めいぼうこうし)」にあるように、輝く瞳に白い歯が美女の条件でした。このほか、色白の肌や漆黒の長い髪、スレンダーなボディも重要。この時代は意外にも女性が強く、黒い口紅など、男受け度外視なメイクも流行っていたそう。
教えてくれたのは...
堀江宏樹さん
作家、歴史エッセイスト。古今東西の恋愛文化や生活文化に造詣が深く、さまざまなメディアで執筆中。『愛と欲望の世界史』『ときめく源氏物語』(共に王様文庫・三笠書房)など著書も多数。
篠原絵里佳さん
管理栄養士、日本抗加齢医学会認定指導士、睡眠改善インストラクターとして各種メディアや講演会などで活躍。食事と睡眠で健康と美をサポートする、「睡食健美」のプロフェッショナル。
イラスト/鈴木衣津子 取材・文/北爪佳奈