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映画監督が考える「目」の魅力とは?

映画監督、脚本家として活躍中の池田千尋さん。その視線がとらえる役者たちのさまざまな「目」の表情とは?女性映画監督から見た「目」の魅力について聞きました。

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「今を楽しんでいる! 」という自信が目を輝かせる

ウソを本当にするのが映画であり、本気でウソをつき続けるのが役者。しかし、「頭のてっぺんから指先に至るまでのからだの繊細な動き、顔の表情は作れても、目を見ると、それがウソであるとバレてしまう瞬間がある」と語る池田監督。「目は口ほどにものを言う」ということわざがあるように、目は最も内面に近く、心の機微を伝えるからだの器官ではないか、と言います。

 

そんな池田監督から見た「目」に魅力がある人の共通点は、「目の層に厚みがある人」。「役者さんは基本的に目力のある方ばかりですが、一層しか見えない目と、一の先に十まで層が見える目があるんです。たとえば、今、彼女が悲しみを感じてそこに立っていてこちらを見る、という芝居をするとき、ただ悲しいだけではなく、悲しみの奥にその人の強さややさしさまで見えてくる目をもっている人を見ると、内面に厚みがあると感じます」

内面の厚みとは、自分という人間のいいところも悪いところも含めて、いい意味での受け入れとあきらめをもっていること。

「今、生きている自分に自覚的ということではないでしょうか。『私って、こうだからダメなんだよね』と言うのは簡単だけど、それを前向きな力に変えるところまでもっていける人ほど、目に力が宿るのだと思います。その反対で、内面に自分への否定や迷いがよどみのように溜まっている人は、どんなにきれいな顔のつくりをしていても、目の層が浅くなり、つまらない顔に見えてきます」

 

池田監督自身、映画監督である自分に自信をもてず、人に好かれようと無理をしていた20代の終わり頃の写真は、今をしっかり生きていない顔つきをしていたそう。

「今、『私は映画監督だ』と自信をもって言えるのは、誰かに嫌われてもいい、私は私なんだと思えるようになったから。今は映画作りをすごく楽しめていることも大きいですね。たとえしんどくても、好きなことを今やっているという自信が、目を輝かせるのだと思います」

 

 

Profile
池田千尋さん
映画監督、脚本家。1980年生まれ、静岡県出身。2008年、映画『東南角部屋二階の女』で監督デビュー。『クリーピー 偽りの隣人』(16/共同脚本)、『スタートアップ・ガールズ』(19)、NHKBSドラマ『プリンセスメゾン』(16)、乃木坂46「不等号」のMVなど、多岐にわたり活躍中。

撮影/服部希代野 取材・文/みやじまなおみ

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