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きょうの夢ごこち|小林エリカさんエッセイ#5

作家・小林エリカさんのスペシャルエッセイをお届けします。
※#5はWEB限定掲載です。

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きょうの夢ごこち|小林エリカさんエッセイ#5

爪先が地面から離れ、身体が中に浮かぶ。このまま上昇し続けたら、ひょっとしたら飛べるんじゃないか。けれどその瞬間、たちまち重力が私の身体を地上へ引き戻す。

数ヶ月前、トランポリンを購入してみた。真夜中、私はときどきひとりで、トランポリンを飛ぶ(幸い我が家はマンションだが部屋は一階なのだ)。走るのなんかと比べてもエクセサイズになるらしいと聞いて思わず買ったのだが、結構楽しい。それにほんの一瞬だけ、空を飛べたような気持ちになれる。

 

いつも思い出すのは、オットー・リリエンタールのこと。二十年に渡り鳥の羽根の研究をしてグライダーを設計し、ドイツ、ベルリン郊外に人工の丘までつくって飛行実験を繰り返した人物である。

インターネットを検索すると、彼が空を飛ぶ白黒写真が出てくる。右側には急斜面の丘、その丘から舞い上がるようにして巨大な羽を広げた鳥のようなグライダーにつかまって飛ぶ、リリエンタール。

そんなリリエンタールは、飛行実験中に墜落して命を落とすことになる。しかしその死からわずか七年後、かの有名なライト兄弟がアメリカのノースカロライナ州、キルデビルヒルズにて、世界ではじめての有人飛行に成功するのであった。

鳥のように空を飛びたい。むかしギリシアのイカロスはロウで固めた鳥の羽根両手に持って羽ばたいた〜 けれど、物体は落下する。飛ぶというのは、重力に逆らうことだ。つまり神のような力を手に入れたいと願うこと。

 

いま夕方の空を見上げると、真っ白な飛行機雲が何本も伸びて見える。

ライト兄弟が、空を飛んでからあと少しで一二〇年。いまや人間は飛行機もロケットまでも手に入れて自在に空を飛ぶことができるようになった。けれど、いまなお物体は落下するし、人は歳をとるし、いつかは必ず死ぬ。

かくいう私も、トランポリンでせっせと飛び跳ねているうちに、また誕生日を迎えて一つ歳をとった。確かに空を飛ぶのは魅惑的だ、けれど、別に私は神のような力は欲しくない。

 

 

文と絵
小林エリカ

作家・マンガ家。『マダム・キュリーと朝食を』(集英社)で芥川賞・三島賞候補に。新刊は光の科学史を辿る『光の子ども3』(リトルモア)、『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社)

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