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エリザベート皇后のダイエット法|美容史#4

教科書には載っていない、知られざる美容の歴史を紹介します。

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エリザベート皇后のダイエット法

19世紀後半のヨーロッパで「最も美しい皇后」と称された、ハプスブルク家のエリザベート皇后。その実像は、自然と旅を愛する自由人でした。跡継ぎのルドルフ皇太子を出産後は、堅苦しいウィーンの宮廷を抜け出し、お召し列車でヨーロッパ各地を旅する日々が始まります。

そして、美の追求は旅先でも続きます。「美しくなければ生きている意味がない」が、エリザベートの口癖でした。彼女のお召し列車には、大量の化粧道具だけでなく、ウィーンのハプスブルク家の居城・シェーンブルン宮殿の庭園で、彼女のために飼育されていた羊や乳牛までもが、専任の獣医らと共にのせられていたのです!

エリザベートは、日々の食事を果実ジュースや牛乳に「置き換え」することを好みました。そして彼女が愛飲したジュースには、「肉ジュース」と呼ばれるものがありました。これは新鮮な子羊の肉を絞り、液状にしたものです。肉を調理すれば油を使うため、それで太るのを避けたかったようです。しかし、そのために家畜や獣医までも旅に同行させるとは……。

莫大な手間と費用を費やし、身長172センチ、体重50キロ、そしてウエストは50センチという数字を、彼女は60歳で亡くなるまで守り続けました。夫のフランツ・ヨーゼフ皇帝から溺愛されていたエリザベートだからこそ可能なダイエット法ですが、あまりマネしたいとは思えませんね。

 

 

Profile
堀江宏樹
作家、歴史エッセイスト。古今東西の恋愛・生活文化に造詣が深く、さまざまなメディアで執筆中。『愛と欲望の世界史』『ときめく源氏物語』(共に王様文庫・三笠書房)など著書も多数。

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