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奈良 瀞ホテルの窓辺|世界のここち巡り#6

トラベルライターが体験した、世界各地の「ここちよさ」を感じるスポットとは。

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奈良 瀞ホテルの窓辺

吉野熊野国立公園内にある景勝地「瀞八丁(どろはっちょう)」なかほどの断崖絶壁に建つ大正時代の木造建造物『瀞ホテル』の窓辺は、初夏を予感させる5~ 6月、最高にここちのよい時季を迎える。

レトロなガラス戸を大きく開け放した窓際に座り、目を閉じて、あるいは食事をしながら深呼吸すると、脳内にすうっと清涼な風が通り抜けていく。窓の外をのぞくと、巨岩が連なる峡谷の谷間に、思わず吸い寄せられそうな濃いコバルトブルー色の北山川が流れている。瀞八丁の「瀞」は、川の流れが静かで水深の深いところという意味をもつ。まさに文字通りの風景が眼下に広がっているのだ。ホテルなのだから夜はさぞかし静謐(せいひつ)なひとときが過ごせるのだろうと想像したが、現在は食堂・喫茶のみの営業らしい。

次回はこの開放的な空間でのんびり長居をすることに決めた。訪れるなら、夏休み前がぴったりのタイミングだ。

大正6年創業当時は、北山川で木材を運ぶ筏(いかだ)師の宿だった。
観光旅館にシフト後、一度閉館したが平成23年の紀伊半島豪雨の災害を乗り越えて平成25年に食堂・喫茶としてオープンした。

 

 

Profile
朝比奈千鶴
トラベルライター。「暮らしの延長線の旅」をテーマに、各地を訪ね歩く。観光を通した暮らし、文化継承の活動にも携わっている。

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