INTERVIEW 01完成まで約3年!?SKINCARELOUNGE BY ORBISができるまで

MMA Inc.
工藤 桃子
オルビス株式会社
小椋 浩佑
Takram
緒方 壽人
写真:対談風景

今回は、SKINCARELOUNGE BY ORBISに携わってくださった、Takram緒方さん、建築家の工藤さんをお迎えして、プロジェクトリーダー小椋と共に完成までに道のりについて思い出をお話しいただきました。

小椋今日はお忙しい中、お二人ともありがとうございます。このSKINCARE LOUNGE BY ORBISが7月17日にオープンしますが、この場所を何でつくったのか?つくる途中にどんなことがあったのか?といったお話ができればと思っています。

検討から完成まで約3年

小椋はじめてお会いしたのは、いつくらいでしたか?

緒方今もう2020年ですが・・(笑)17年の年末位だったかと思います。最初は、佐藤卓さんにお声がけ頂いてオフィスにお伺いしたのが1番最初ですね。もう3年近い!?

小椋その頃から、3歳も歳とっちゃいましたね(笑)

緒方当時オルビスがリブランディングをすすめていたんですが、そのこともその時に伺って。最初はリブランディングのタイミングに合わせてSKINCARE LOUNGE BY ORBISをオープンしたいといったお話でしたね。

小椋オルビスは創業から30年以上経ちますが、何屋さんですか?と聞かれると通販の化粧品ブランドでしかない、みたいなところがあったんです。やっぱりこの先、ブランドのビジネスで、便利とかお得とかではなく、 ブランドの思想や世界観で新しいお客様に知ってもらえるようなブランドになりたい!そんなブランドビジネスをしていく際にどういう形でリブランディングをしていくのがいいのか?それを計画しだしたのが2017年の年末くらいでした。 タイミングとしては、2018年10月のオルビスユーのリニューアルをきっかけにして一気に刷新していこうとなりましたね、紆余曲折ありましたが・・。

写真:オルビス 小椋氏

緒方新しくお店をつくっていくうえで、僕らは建築の知見がないので、工藤さんにお声がけさせてもらいました。

工藤はじめてオルビスさんにお伺いしたのは18年でした。

小椋オルビスは、お客様に商品を購入いただくお店は全国で100店舗以上ありますが、商品の良さを丁寧に伝えることに特化した場所というのはを持っていなかったんです。なので商品をお伝えする体験に尖らせた場所をつくろう!となって、そのメンバーとして僕が入らせてもらったのが18年の2月頃でした。

緒方ブランド自体のリブランディングも現在進行形で進んでいく中で、それをどう空間や体験に落としていくかを同時にやっていくのが結構大変でした。

写真:MMA 工藤氏

工藤コスメの読み解きから・・(笑)

緒方自分たちが色んなプロジェクトをやるときも、新しい分野をやることが多いんです。なので毎回そうなんですが、今回も最初に何をやるか決めるためのリサーチをしました。僕自身もスキンケアや化粧品に詳しいわけじゃないので、本当に色んなお店に潜入・・(笑)じゃなくて、視察をしました。お店を出す場所も決まってなかったので、とにかく周辺も含めてのリサーチをしましたね。 あとは、小林社長がちょうど社長に就任されるタイミングだったので、新しいお店をどうしていきたいかをインタビューさせてもらって、コンセプトを一緒につくっていきました。

小椋今聞いていて、嬉しかったことを思い出しました!自分もこういう仕事をしていて、丁寧にリサーチすることをめちゃくちゃ大事にしたいとは思っていたんです。明確な数字で測るのは難しいけど、実はクリエイティブと結果にはちゃんと関係性がある。リサーチをして構造化すれば、おのずとやるべきことが決まるよねっていうことも、たぶんみんなわかってる。だけど、クリエイティブのお仕事をしているなかで、それが意外とおざなりになったりして・・・。 その、ついつい後回しになっていたけれど大切なところに、ちゃんとゼロから取り組める機会をいただけた。Takramさんのリサーチを見させてもらって、すごく勉強になりました。

緒方僕らがいろんなプロジェクトで共通してやるのは、最初の丁寧なリサーチなんです。それもただ情報量を集めればいいのではなくて、そこからどういうインサイトや気づきを得るかということが大切。また、その得たものを構造化して、本当に大切なビジョンは何か、それをどう具体化していくかを1枚で俯瞰できるようなフレームワークを同時につくっていきます。今回もそれが丁寧にやれたなと思っています。

写真:Takram 緒方氏

小椋リブランディングの時って社内でみんなめちゃくちゃ気合入っていて、会社中の人が色んなものを作るんですけど、いろんな言葉が増えすぎちゃったりもするんです。ワークとリサーチの合わせ技でフレームワークができたおかげで、あてどころになりました。なんとなくいいけど、これでいいんだっけ?と迷ったときのの振り返り先ができたのはよかった。 テナントを探すときも、何となくいい場所にある物件ならいいんじゃない?となりがちです。でもフレームワークがあることで、この場所で自分たちのやりたいことが体現できるのかを振り返ることができたので、よかったなと思っています。

緒方お話をするために、久しぶりに自分たちの作ったフレームワークを読み返して・・・。

工藤ちゃんと今につながってますよね。

小椋検討期間が3年もあったので、最近はそれを見ずとも阿吽の呼吸で合うようになってきましたね(笑)

工藤こだわっていてもカラーが合うようになりました。目指す所が一緒の所になっていった感じですね。

緒方中々ないですよね、こんな長いプロジェクト(笑)いいものをつくるのに、こんなに長い時間がかけられるのもいい機会です。

工藤どうでしたか?プロジェクトが長いときと短いときとで、違いはありますか?

緒方それこそ物件も出会いですよね。きちんと自分たちのやりたいことやビジョン、コンセプトにあった空間が見つかるまで、納得いくまで粘っていただいたのはなかなか無いことですよ、いろいろ大変だったとは思いますが・・・(笑)

次回に続く

(敬称略)