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更年期の治療って、どんなものがあるの?|なんでも相談室「今日はどうされましたか?」#32

〈隔月10日更新!〉更年期に伴う不調や体の変化、介護との向き合い方まで、40代以上の女性が、今と未来を安心して生きるための“体・心・人生の相談室”。毎回、1つの悩みをテーマとして取り上げ、その分野の専門家がお答えしていきます。

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お悩みにお答えするのは…
相談員 内田美穂

産婦人科専門医。自身も長年、患者として婦人科にかかってきた経験をもとに、理想を形にした「フィデスレディースクリニック」を開院、統括院長に。科学的根拠に基づく正しい性教育、ダイバーシティについて企業や学校での講演活動を行う他、クリニックのYouTubeチャンネル「産婦人科医 Dr.内田美穂 女性のためのヘルスケアガイド」でも情報を発信している。

助手 清水 尚美

現在30代。「なんでも相談室」の連載を通じて更年期症状について勉強中!(そして準備中)当連載をきっかけに健康への意識が高まり、年に1回の健康診断に加え、定期的に婦人科を受診している。更年期の症状はざっくり知っているが、どの症状にどんな治療が効果的なのかが知りたい!


本日のお悩み

更年期らしき症状を感じています。辛くなりすぎる前に治療の選択肢を知りたいです。

40代後半に入ってから、生理周期が乱れたり、めまいを感じたり。「これって更年期?」と疑ってはいますが、どんなケア・治療をすればいいのか…。婦人科に行った方がいいのかどうかも迷っています。

ついに来た更年期。「体に何が起きていて、どんな対策が取れるのか」を知ろう

写真:清水
清水
そもそも更年期とは、具体的にどの時期を指すのでしょうか。

写真:内田
内田
日本産科婦人科学会では、閉経をはさんだ前後5年間の約10年間を「更年期」と定義しています。日本人女性の平均的な閉経年齢は50歳ですので、45歳〜55歳が更年期にあたる方が多いですね。

※更年期についてもっと詳しく知りたい方は、文末のリンクから!

写真:内田
内田
多岐に渡る症状が現れますが、主な原因は卵巣機能の低下に伴う女性ホルモン・エストロゲンの急激な減少。エストロゲンはさまざまな組織に作用していますので、分泌が揺らぐと心身に幅広く影響が出ます。そこに加齢による体の変化、家族関係・職場環境、本人の性格などが複雑に絡み合います。症状の出方や強さには個人差がありますから、「自分の体に何が起きていて、どんな対策が取れるのか」を知っておくことが、まず第一歩になりますよ。

写真:清水
清水
早速、対策としてどんな方法があるのか教えてください!

マイルドに整えたいなら、まずはセルフケア

写真:内田
内田
まず、日々の生活に取り入れながら、手軽に始めやすいケアがあります。たとえば、エクオールのサプリメント、漢方、生活習慣の改善です。

写真:内田
内田
これらのケアはどれも取り入れやすい分、効果実感は穏やか。ですが、特に生活習慣の改善は、症状を悪化させないために必要な体の土台作りに繋がりますので、積極的に実践していただくとよいと思います。

婦人科ではどんな治療ができる?

写真:内田
内田
次に、婦人科でできる治療の主なものとしては、ホルモン補充療法、プラセンタ療法、向精神薬、漢方などがあります。

写真:内田
内田
漢方については、医療機関で処方されたものの多くに保険が適用されますし、薬局では扱えない種類を出すこともできます。また、向精神薬を婦人科で処方する先生は実際のところあまり多くないので、心療内科や精神科のサポートが必要になるでしょう。

写真:清水
清水
どの治療法がいいのか迷いますね…。

写真:内田
内田
症状に個人差が大きくありますし、ホルモン補充療法以外の治療は基本的には対処療法ですので、セルフケアをしたい場合も含めて、一度、婦人科の先生と相談してみてもいいと思いますよ。

婦人科を受診する前に準備しておきたいこと

写真:清水
清水
更年期で初めて婦人科を受診する場合、より自分に合う治療をするためにも、何か用意しておいた方がいいことはありますか?

写真:内田
内田
初診の時、医師としては「その方が何を目的に来院されたのか」を把握したいもの。「最初からホルモン補充療法を希望します」という方もいれば、「まずは検査だけしたい」「いい薬があれば飲んでみたい」という方もいらっしゃいます。目的によって必要な検査や治療のスタート地点が変わってきますから、「どんな症状に悩んでいて、一番改善したいことは何か」を整理しておくとベストですね。一般的に問診では、以下のことをお聞きします。

通いやすい婦人科が近くにない&オンライン診療を希望する場合でも、定期的に対面の問診を

写真:清水
清水
「地方に住んでいて、気軽に通える婦人科がない」というお声もあります。こうした環境の方はどうするのがよいでしょうか?

写真:内田
内田
理想は、やはり近くに「かかりつけ」の産婦人科を持ち、3か月に1回でも定期的に相談できる関係を作ること。それが難しい場合の選択肢としてオンライン診療もありますが、自費診療で行なっているケースが多いのがデメリットです。私のクリニックでは自費診療での相談も行っていますが、保険診療を希望される場合は、初診は原則対面で行い、2回目以降はオンラインでの相談が可能という形にしています。

写真:内田
内田
ただし、ホルモン補充療法を受ける場合は不正出血が出やすくなることもあり、定期的な検査が必要になるのでオンラインだけで続けるのは正直難しいです。オンラインとオフラインを組み合わせるのが現実的かなと思います。それに、対面で問診するからこそ素早く適切な医療に繋がるケースも。「更年期症状で、動悸がする」と受診された方が、実は循環器系の病気だったということがありました。

写真:清水
清水
え!?

写真:内田
内田
話を聞くうちに不整脈や心不全などの可能性があると感じ、すぐに救急病院に行っていただきました。でも道中でその方は心肺停止状態に…。一命を取り留めることができて本当によかったですが、「単なる更年期症状」で片付けられないこともあります。

写真:清水
清水
症状が幅広くあるからこそ、しっかり問診を受けることが大切ですね…。

写真:内田
内田
そうですね。初診だけでなく、その後の経過や変化も含めて定期的に対面で診ていただく機会を作っていただけるとベストだと思います。

「恐れは常に無知から生じる」。更年期を迎えた体と上手に付き合うために

写真:内田
内田
私がセミナーなどでよくお伝えしているのが「恐れは常に無知から生じる」という言葉。更年期という時期のこと、症状のこと、治療の選択肢を知っていれば、自分の中で備えができますよね。私も更年期世代ですが、症状が強くなってきたらエストロゲン補充療法を受けると決めています。がんのリスクも含めてあらゆる情報を自分で整理した上で、「メリットの方が大きい」と判断しているので、怖くはないんです。

写真:清水
清水
知識を持った上で選んでいるから、不安に飲み込まれにくいんですね。

写真:内田
内田
はい。そしてもうひとつ大切なのは、更年期のゴールは「20代・30代の体調に戻すこと」ではない、ということ。時間とともに変化していく体を、最終的には自分で許容していくことが目標なんです。老年期に向けてゆっくりと準備をしていく期間、と捉えていただけるといいかもしれませんね。

本日の学び

閉経~更年期の諸症状をはじめて知ったとき、「生理の苦しみが終わったらまた困難?!」と不安や恐怖に襲われたことを覚えています。いまもその気持ちがゼロではないですが、こうして学んだり先生のお話を聞いたりと、年齢を重ねることに対して準備をすることで少しずつ解消されているような気がします。災害が来た時のために避難バッグを用意しておくように、きたる更年期にも備えておきたいです。(清水)

今回も文末にアンケートがございますのでぜひご協力をお願いいたします♪

監修/内田美穂
企画/清水尚美
編集/間野加菜代(Cumu)
イラスト/itoaya

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