暮らしの中でここちよさを紡ぐ オルビスの“プロダクトデザイン”の役割とは?|オルビスの舞台裏#2
Webマガジン限定企画「オルビスの舞台裏」(略して「オル裏」)では、ふだん見ることのない舞台裏にスポットライトをオン!オルビスの商品やサービスが生まれるまでのトライ&エラーに迫ります。今回の主役は、8月20日(水)に生まれ変わる「オルビス ザ リンクルセラム」(医薬部外品)のパッケージ、つまりは“プロダクトデザイン”です!注目されることの多い成分や処方といった中身の企画開発の影で、あまり語られることのないオルビスのプロダクトデザインのこだわりとは?
\舞台裏に潜入するのは/
- 美容ライター 米山奈津美
- 美容好き&雑誌好きが高じ、ビューティエディターに。ヘア専門誌編集部を経て2019年より「WWD BEAUTY」編集部に所属。その後独立し、「GINGER」や「andGIRL」など女性ファッション誌の美容企画や書籍の企画・編集、美容メーカーのオウンドメディアの立ち上げに携わる。
プロダクトデザインとはブランドとお客様の“架け橋”
みなさんは“プロダクトデザイン”と聞いて、何を思い浮かべますか?
パッケージの見た目はもちろん、機能性や使いやすさ、安全性などを考慮して、トータルで商品を設計・開発するのがプロダクトデザインの仕事です。とくに化粧品の場合は毎日使うものだからこそ、使いやすさや安全性、手に取ったときの高揚感が求められます。
\スポットライトを当てる人/
- プロダクトデザイン担当 永川佳寿絵
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アパレルデザイナーやWebデザイナー、化粧品の商品開発などを経て、2020年にオルビスに入社。先代の「リンクル ブライト セラム」に続き、「オルビス ザ リンクルセラム」のプロダクトデザインを手掛ける。
- プロダクトデザイン担当 李 素和
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飲料や日用品に至るまでさまざまな商品のパッケージデザインを手がけた前職での経験を活かし、2024年にオルビスに入社。2025年6月に発売されたリフレッシング スキン トナーや限定商品を多く手がけ、永川さんとともに「オルビス ザ リンクルセラム」を担当。

李オルビスでは、商品開発担当者と一緒にプロダクトデザインも動き出します。企画の初期段階からお客様のお手元に届く最終段階まで、ずっと関わるんです。商品のコンセプトをどうデザインで表現するか、二人三脚で形にしていけるのはオルビスならではだと思います。

永川プロダクトデザインは、社内外どちらに対しても“最前線”にある仕事だと思っています。社内では李さんが話した通り、開発の最初から関わりますし、お客様にとってはデザインがブランドとの最初の接点。まさに“架け橋”です。まずは目で惹かれて、使いやすさや高揚感を感じていただけたら。体験を五感で届けるのがプロダクトデザインの役割です。

永川オルビスのブランドメッセージは「ここちを美しく。」です。だから年齢やライフスタイルに捉われず、誰の生活にもなじんで、自然と「ここちいいな」と感じてもらえるものを目指しています。 私たちが大切にしているのは、特別な「ハレの美」ではなく、日常の「ケの美」。生活に溶け込み、毎日使い続けたくなる。そんなデザインを心がけています。
変える?変えない?悩んだ末に辿り着いたデザイン
オルビスならではのプロダクトデザインの価値が分かったところで、ここからは具体的に「オルビス ザ リンクルセラム」について伺っていきましょう!
オルビスのシワ改善&美白美容液は、2019年に初代「リンクルホワイトエッセンス」が誕生し、2022年10月に「オルビス リンクルブライトセラム」としてリニューアルを果たしました。効果と続けやすさにこだわったシワ改善と美白を同時にかなえる、販売本数250万本※を数えるブランドを代表するアイテムです。
そんな力作をさらにアップデートした3代目が「オルビス ザ リンクルセラム」です。スピード感を持ったお手入れを体感いただいたいという思いから浸透スピードを高めた新処方を採用したのが最大の特徴です。
2025年8月20日(水)発売
オルビス ザ リンクルセラム(医薬部外品)

永川初代と2代目がすでに多くのファンに支持されているからこそ、パッケージをどれだけ変えるべきか悩みました。そんなとき開発チームが処方を試行錯誤している姿を目にしたんです。化粧品でシワにアプローチするのはとても時間がかかることですが、そこにあえて立ち向かったのが「オルビス ザ リンクルセラム」です。従来品とは別次元のものと思わせるほど印象を変えることに決めました。
処方の変化を反映したプロダクトデザインの変遷
初代「リンクルホワイトエッセンス」
処方/シワ改善と美白が同時にかなう画期的な美容液が誕生。
プロダクトデザイン/シルバーのパッケージで、光の反射や機能性の高さを直感的に演出。
2代目「オルビスリンクルブライトセラム」
処方/初代を踏襲しながら使い心地をアップ。
プロダクトデザイン/処方のアップデートを“進化”と捉え、シルバーを洗練させて、毎日使いたくなる色気や高揚感を演出。
3代目 New! 「オルビス ザ リンクルセラム」
処方/速攻浸透*に着目した処方を搭載し、シワのお悩みにスピーディにアプローチ。
プロダクトデザイン/新たな処方を別次元のものと思わせるぐらいの“変化”と考えて、スピード感や機能性を感じられるデザインを模索。
* 角層まで

永川方向性は決まったものの、デザインできる面積が少ないのが悩むところ。チューブ部分のデザインを変えるには予算がかかりすぎてしまうので、先代を生かしながらデザインできるところを考えて、たどり着いたのがキャップです。

李キャップの底に円錐形のくぼみを入れたんですが、これがなかなか大変で…。凹みが浅いとデザイン性が弱く、深かったり、縁が鋭利になりすぎると安全性に不安が残ります。また置いたときにふらつかないかなど、0.1mm単位で検討を繰り返しました。シンプルだからこそ誤魔化せないんです。プロダクトデザインをする上では内容物が劣化しないように容器の形状や厚みを決めます。実は気を配っているポイントがたくさんあるんです。安全性や品質を守った上で、プロダクトデザインをするのが私たちの仕事の大前提です。
ブランドの中でも最高峰を体現する色と配置を追求

李シワ改善美容液の最高峰という位置付けなので、色も工夫しました。採用したグレーはオルビスのあらゆる商品の色=価値を混ぜ合わせた先にある究極の色を表現しています。またツヤのある素材にしたことで、光が当たったときにハイライトが生まれ、即効性を視覚的に演出できるのもこだわりです。

李ロゴはトップに、やや大きめに配置。商品名をT字にレイアウトして、堂々とした印象に仕上げました。

永川先代の素敵なところは生かして、デザイン性を高めました。シンプルさに美容液ならではの高揚感や、リニューアルによる機能性の強さを表現できたと思います。

永川たくさんお話ししましたが、伝えなくても感じてもらえるのがプロダクトデザインの醍醐味です。まずは直感的に素敵だと思っていただけたら。「オルビス ザ リンクルセラム」は毎日使い続けてこそ効果を発揮してくれるので、諦めずに毎日使おうと思っていただけたらうれしいです。

李とてもシンプルなデザインですが、些細なところに機能性を感じていただけたらデザイナー冥利に尽きますね!
ここちよさを紡ぐプロダクトデザインにはワケがある
プロダクトデザイナーのお二人のお話はいかがでしたか。
手のひらに収まるサイズのパッケージなのに、これほどまでに試行錯誤が詰まっているとは驚きですよね。「なんだかここちいいな」「毎日使うのが楽しみ」。そう思ったときにはプロダクトデザインの力がそっと働いているのかもしれません。
化粧品の見た目は思っている以上に気持ちに作用します。忙しい朝にふと手が伸びる。1日の終わりの夜のスキンケアの時間にほっと一息つける。実はいたるところにそんな工夫が凝らされています。もしその理由を知りたくなったら、パッケージに目を向けてみてくださいね。
2025年8月20日(水)発売
商品名:『オルビス ザ リンクルセラム』
販売名:『オルビス ザ リンクルセラム』[医薬部外品]
・長くオルビスを使い続けている理由は、商品の質の高さと、お店の利用し易さです。お客様への声掛けはとても難しいと思うのですが、アドバイスが欲しい時に、こちらの要望を聞いて丁寧に答えて下さる、決して押し付けがましくない、真摯な対応がどのBAさんにも徹底されていて、いつも気持ち良く買い物ができるなと改めて気付きました。今回の舞台裏はまさにその裏付けとなるもので、とても興味深く拝見しました。これからも様々な方面の舞台裏を紹介していただきたいです。(あみさん)
・普段、店舗で接するBAさんたちですが、このような研修をされているんですね!オルビスの手厚い研修が、満足度に繋がっているなんて素敵です!通販も好きですが、BAさんから満足感が高いので店舗に伺うようになりました!(serika.さん)
・地方在住のため、なかなか店舗に足を運ぶ事は出来ませんが、日々私たち顧客の為に様々な工夫をされている事を知りました。近くに店舗はなくても、どこかに出掛けた際オルビスさんがあったら立ち寄りたいと思いました。(仔犬さん)
企画・編集/清水尚美
取材・文/米山奈津美
撮影/武井メグミ
























